椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は薬で治りません。 「薬で痛みを緩和させながら安静にし、自然治癒させる」という保存療法で治します。
むかしは腰痛の薬といえば、ロキソニンやボルタレンなどの鎮痛剤だけしかありませんでした。 これらは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)といい、炎症から生ずる疼痛には有効ですが、神経からの疼痛には効果が無いと言われています。
そのため、椎間板ヘルニアは手術で治すというのが主流でした。 しかし、近年では2つの新しい薬が処方されるようになりました。
管理人の場合はとくにロキソニンンと福辻式ストレッチが良かったです。急性期(1か月目)はまず痛みを緩和させることが第一です。
神経の痛みに作用するリリカ
2010年にリリカという神経障害性の痛みの治療薬が販売開始されました。 リリカは神経痛に有効な特殊な鎮痛薬です。
作用メカニズムは、異常興奮した神経系を抑える効果があります。このことから ロキソニンなどの一般的な鎮痛薬(NSAID)が効かない、または効きにくい患者に効果が期待できます。
炎症による痛みと神経障害からの痛みの両方を抑えるためにリリカはロキソニンと一緒に処方されることが多いです。 リリカは即効性は無く、だいたい10日から2週間の服用で効果が出てくると言われています。
ロキソニンより強力なトラムセット
もう1つは、トラムセット(トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合製剤)という薬で2011年に製造承認されました。
トラマドールの作用によって、オピオイドという受容体を刺激し、強力な鎮痛作用を発生させます。 この薬の作用メカニズムは脳での痛みを感じなくさせる点にあります。
オピオイド受容体を刺激するという点では麻薬と同じですが、モルヒネなどの麻薬よりも作用を緩やかにさせた薬がトラマドールです。 トラムセットはNSAIDより強力でロキソニンで全く効果が無かった人にも効果があると言われています。
しかし、副作用もやや多いため、 ロキソニンなどの一般的な鎮痛薬(NSAID)で鎮痛効果が不十分な場合に用いることになります。
基本的に安静状態にし、保存療法が第一。
椎間板ヘルニアは、約8割が3ヶ月以内に保存的治療で治るとも言われています。その間、これらの薬を服用しつつ痛みを緩和しながら治療します。
これらの薬はあくまで痛みを緩和するだけで、根本的に薬が作用して椎間板ヘルニアや坐骨神経痛を治すわけではありません。
椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は程度にもよりますが、基本的に安静状態にし、保存療法をとるケースがほとんどです。
但し、緊急を要する様な状態であるかどうかは、MRIを撮ってみないと判断出来ません。坐骨神経痛を患ったなら、まず最初に行なう事は MRIを撮ることです。そこで、手術が必要な状態なのか、薬で痛みを抑えながら保存療法を行なっていくのか、を医師と相談することになります。